記憶

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目の前に迫る電車、その時ナツタは全ての時が止まるのを感じた。 《やばい死ぬ》ナツタは心の中でそんなことを思った。 どがぁん! 駅のホームになにかがぶつかった音が響いた。 音の正体はナツタと電車だった。ナツタは電車がぶつかった時に胸を守っていた骨が折れ心臓に突き刺さった。 身体は10メートルくらい吹き飛ばされた。胸からは血が出てとまらない。全ての血が出たというくらいナツタのまわりは血で滴っている。 ホームに居た人たちの、やばくない?初めて人がひかれるとこみたなどの色んな感想がナツタの耳に届いていた。 「だ…れ………たす…」 声を出そうとしたが全く大きな声がでない。 次第に薄れゆく意識のなかナツタの目の前に銀白色のボールが転がってきた、大きさはよくわからないが、ナツタは銀白色のボールに手をのばした、冷たい感触を感じる鉄のような触り心地、だがすぐにボールは液体化しナツタの心臓に入りこんできた。 ナツタは激痛が身体にはしるのを感じるとそのまま気を失った。
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