棗の心と蜜柑の笑顔

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鳴海:「棗君は席に着いて。蜜柑ちゃんは前の方に」 棗は流架の隣に腰を下ろした。 鳴海:「では改めて蜜柑ちゃん、自己紹介を」 蜜柑:「佐倉蜜柑です、よろしくな」 鳴海:「蜜柑ちゃんは無効化のアリスを持ってるんだよ、あっ…それから蜜柑ちゃんのパートナーを決めます、誰かやりたい人は… 案の定、誰も手を上げない。 はーい、誰もいませんね、じゃあこっちで勝手に決めたので発表します。 《勝手に決めるなよ》 日向棗くんです。 棗:「はっ??何で俺が」 教室中がざわめき始める、そんなざわめきの中、もう1つクラスが騒めき始める。 ドアがノックされ、入って来たのが茨木のばら《通称危力系の氷姫》だったからだ。 のばら:「あの……佐倉蜜柑さんはいますか?」 蜜柑:「蜜柑はウチやけど」 のばら:「一緒に来てくれる??」 蜜柑:「ええよ、でも今授業中で……」 鳴海:「茨木さん、何処に蜜柑ちゃんを連れて行くのかな?」 のばら:「それは……」 その時、棗が会話に割って入る。 棗:「何でお前がここにいる??まさか……」 棗は何か感じたのか蜜柑の手を無意識にとる。 棗:「行くな、お前なんかが行っても役に立てねぇ、足手まといになるだけだ」 蜜柑:「なんやと……棗」 蜜柑と棗は軽い言い争いになった。 それを諫めたのは鳴海先生だった。 鳴海:「蜜柑ちゃん、授業は休んでも構わないから茨木さんと一緒に……」 棗:「行かせるのかよ??」 棗は鋭い眼差しを鳴海に向けた。 そして、既にそこにいなかった蜜柑とのばらを追うように、教室を飛び出した。 蛍と流架も不信感を抱いたのか、棗の後を追って走りはじめた。
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