棗の心と蜜柑の笑顔

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蛍:「どういうことなんて私が聞きたいぐらいだわ」 蜜柑:「えっ??」 何かが陰に隠れて動き出しているかのような……嫌な感じがした。 棗:「とりあえず行くぞ」 蜜柑、蛍、流架は、棗の後について元来た道を戻って行った。 そんな様子を隠れて監視する者がいる。 ドアが開き、のばらがペルソナの部屋に入る。 ペルソナ:「佐倉蜜柑はどうした??」 のばら:「ごめんなさい、ペルソナ、蜜柑ちゃんを連れて来ることが出来ませんでした」 ペルソナはしばらく考えた後、静かにこう言った。 ペルソナ:「分かった、のばら今度は私も一緒に行こう」 のばら:「……はい、ペルソナ」 そんな風に2人の会話が進む中、教職員部屋では、鳴海が一人考えこんでいた。 鳴海:どうすればいいのか、蜜柑ちゃんには先輩と同じ道は歩かせたくないし、それに……何より彼女の苦しむ姿を見たくない。 そう思い、ポケットから蜜柑に渡すはずだった星の金バッジを取り出し、力を込めて握りしめた。 盗みのアリス、それを皆に伝える日は来るのだろうか。 鳴海は、頭の中で今の状況を整理しつつ、何をすれば良いのかを考えていた。 棗:「お前、あんまり一人で行動しようとするな」 そんな会話は、もうすぐB組に着く直前に棗が発した言葉だった。 蜜柑:「……何で??」 棗:「多分、お前目つけられてる」 蜜柑:「えっ??あっ、そう言えばちょっと蛍に聞きたいことあんねん」 蛍:「何??」 蜜柑:「さっきな、のばらちゃんと話してた時、ペルソナってのばらちゃんが言ってたんや、蛍やったら知ってるか思ってな」 蛍:「……よくは私も分からないけど」 その先を喋ろうとして、棗に遮られた。 棗:「お前に話がある、ちょっと来い」 蜜柑:「……ちょーあんた」 そう言って棗は強引に蜜柑の手を引っ張りある場所に向かって走り出した。
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