棗の心と蜜柑の笑顔

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“ある場所”それは棗の部屋だった。 蜜柑:「ちょーいいの??勝手に寮に帰って来たりしても……」 棗:「いいんだよ、それにお前は許可貰ってんだろ??」 蜜柑:「えっ??ウチは何も……あっ!!」 ~さっきの会話~ 鳴海:「蜜柑ちゃんは授業休んでもいいから……」 《蜜柑の頭の中、回送終わり》 蜜柑:「でも…それはのばらちゃんに呼ばれたからで」 棗:「とにかくいいんだよ、んでさっきの話だけどペルソナとかのばらの話はあまり他の奴らにはするな 蜜柑:「何で??駄目なん」 棗は黙って話を続ける。 ……言ったはずだ、目をつけられてるって。 ここでは俺や多分お前も、周囲には危険人物として扱われてる……」 蜜柑:「……よう分からんけど、話してはいけんってことやろ??」 棗:「あぁ…だから余計なことは喋るな」 蜜柑:「…分かった」 違和感を感じて、咄嗟に棗から強引に繋がれていた手を離して、手のひらを見ると、先程と同じ現象が起きていた。 蜜柑:「あっ……またやってもうたみたいや」 棗:「……俺のアリス取ったのか?? 蜜柑は、まだ上手くコントロール出来ないアリスと慣れない感覚に戸惑っていた。 気を付けろよ、バーカ」 蜜柑:「ごめんな」 棗:「……謝んなくていい」 そんな棗の声が小さく聞こえた気がした。 蜜柑:「なぁ、棗??」 棗:「なんだよ??」 蜜柑:「さっきあんたに付けて貰ったこのアクセサリーみたいの、よう見たら棗のとそっくり似てるような気がするんやけど……」 棗:「……気のせいじゃねぇのか??」 わざとそっけない態度をとってみたが、さっきまでの殺気に満ちた棗ではないことは、蜜柑にも分かったようだった。
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