罪とハッピー

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 市原一男と民屋健太は、お互いの目を合わせて、行くぞ!と合図した。 深夜0時のコンビニ。 客は、サラリーマン風の男と肥満気味の店員だけ。 一男の、目出し帽から出ている瞳はギラギラしていて、健太の瞳は落ち着いている。 二人は、ATM銀行に真っ先に走り寄り、一男は得意のカカト落とし蹴りをATM画面にかました。 店員は、オドオドするだけ、サラリーマンは逃げるように店を出て行った。 「ご利用は、計画的にってか?」 「それは、カードローン。」 一男の、ボケに健太がツッコミを入れて回し蹴りをかました。 すると、壊れたATMから札束が出て来た。 『現金を、お受け取り下さい。』との優しいアナウンスが流れた。 一男は、札束をつかむとオドオドしている店員を蹴り飛ばしてコンビニの外へとダッシュした。 健太は、二人分の弁当を選び取ってレジに金を置いてコンビニを出た。 「バッチグーだぜ!」 「古い。」 一男は、死語が多い。 健太は、たまにツッコミ疲れる。 二人は、公園近くの自動販売機の前で晩御飯を食べ始めた。
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