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「声に・・・でてましたか?」
そうマリルが聞くと、学院長は頷いた。
「あなたのお父様には、一生かかっても感謝しきれないご恩があるわ。だから私もなにかお助けしたいのだけど・・・。」
学院長は庭園に枯れかけた赤い一輪の花を見つめた。
「でも、どうすることもできない事ってあるの。私がこの花を助けてあげられないように・・・。だから今あなたはこの学院で学ぶべきことを」
「すみませんが学院長先生。私は自分自身の可能性を信じてますので。それに、私ならこの花が完全に枯れるまであきらめず水を与えつづけますから。」
そう言って学院長の言葉をさえぎり、その場からさって行った。
学院長の話を聞いても、学院長の口からは永遠に説教しか出て来ないと思ったからだった。
学院長はマリルの背中を見てため息が出た。
「まったく・・・。ケビン刑事もとんだ娘さんを持ったものね。」
「パパが気づかないようにそーっと、あとをつける?うーん・・・でもなぁ。もういっその事私も行きたいとか言っちゃう?・・・ムリだよなぁ。」
そうぶつぶつ言いながら歩いてると前のしげみがガサガサとゆれた。
マリルは何だろう?と思い、ゆっくりしげみに近づき3メートルくらい離れたところでじっと、目をこらした。
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