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「お母さん、帰り遅くなるから夕飯いらないから。行ってくるね」
そう、あたしはいまだに実家で両親と暮らしている。大学で心理学を学び、病院のカウンセラーとして働いている。給料は悪くない。毎月家には五万円入れている。早く一人暮らしをと思いつつ今日までだらだら…居心地も確かにいいのか、両親も何も言わないし。
玄関を開けると彼が黒いスーツにピンクのシャツを着て車の助手席前に立っている。二歳年上で細身のお洒落な彼。
「たっちゃん、待った?」
「いいや…」
「どうかしたの?」
「さあ、行こうか」
拓海は美月の真っ赤なスーツ姿にドキドキしていた。
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