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お腹いっぱいになり、ぶらぶら歩く。手袋は車の中に忘れてきたから手が冷たい。
ふっと拓海が手を繋いでくれた。
「相変わらず冷たい手だなぁ」
レザーコートのポケットに指を絡ませた二人の手は、あたたかい。
街はイルミネーションで彩られ、平日のお昼ということすら忘れてしまうようだ。雑貨屋さんの店頭に全品半額セールの立て看板があり、つられて入ってみる。二階は婦人服コーナーがあり、母親にツィードのジャケットを買いラッピングしてもらった。
それから赤れんが倉庫やあちこち寄り道をした。
「そろそろディナーでも行こうか」
「うん、6時からだっけ」
拓海はとっておきのレストランを予約したと一ヶ月前から言っていた。
二人のクリスマス‥‥‥。
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