一儀 ~普通の少女~

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「…………拓未。まだ」 「あれ? 心配してくれるんだ?」 「うるさい。……出てきた」 拓未の目の前がぐにゃりと曲がる。 「…………人?」 「…………拓未、気をつけて。彼女は前回、私が葬儀した」 確かに冥には覚えがあった。 実際、あれだけ人に近い霊は見たことはないのだ。 「まぁ、冥に葬儀されるってことは雑魚だな」 そう言う拓未だが、刀を持つ構えはぶれることはない。 「名前は聞いてやる。名前は?」 「…………狛(はく)です」
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