零儀 ~終わりからの始まり~

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「……何?」 全身黒色の服に包まれた少女、成宮 冥が闇に話しかける。 「今日は仕事がないのか?」 「……ん。葬式がないのは良いこと」 「まあな。それならデートでも……」 「嫌」 「なら、付いてく」 冥が嫌そうに先へ歩いていく。 「…………消す」 「冥ごときじゃ無理無理。逆に食べちゃうよ。いろんな意味で」 冥に付いてきてるのは拓未と呼ばれる元人間だ。 元ということは人間以外の存在であり、冥は拓未を霊に近いものだと考えている。 また、拓未はどうしても消えず、どうしても冥から離れないのだ。 冥からすれば悪霊である。
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