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『何か』はゆっくりと消え始める。
冥は悲鳴さえも許さない。
血のような何かで黒色のゴシックを濡らしてゆく。
「……ふぅ。目標の消滅を確認」
葬剣を両手から離す。
両手から離れた葬剣は空間に消え失せた。
「……疲れた、帰る」
手を前に突き出し、空間を自分の部屋に繋げる。
「あ」
冥は何かを思い出したのか入る直前で足を止めた。
これはかなり重要なことだ。
「…………先にシャワーしよ」
拓未のことは完全に忘れていた冥であった。
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