クリスマスパーティー

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♪ひいらぎ飾ろう~ 街中に響くクリスマスソング。 僕は今日もアイドルの原石を探して歩き回る。 『はあ、今日はクリスマスと言うのに、仕事かぁ。』 雪の街でのスカウトは骨が折れた。 元々僕は雪国育ちじゃないからだ。 寒い寒いと体を擦りながら辺りを見渡すと……。 『……いた。物凄いオーラだ。』 僕は慌てて駆け寄ると、なんと、彼女から声がかかる。 「貴方ですの?先程から私を見ていたのは?」 頷けば、彼女は雄弁に自らの魅力を語った。 確かに、彼女は見た目、オーラ共に見栄えがいい。 僕は彼女の気を損ねないようにしながら、僕のオフィスに招いた。 あやかと名乗る彼女に「彩花」と名付けて僕はオフィスに戻る。 オフィスに戻るなり、秘書の楓さんが声をかけてくれる。 「お疲れ様です、龍さん。今日はクリスマスですね?」 『そうだね。今日はパーティーでもしようか?今日くらいゆっくりしてもバチは当たらないよね?』 僕の提案に楓さんが嬉しそうに手を叩いて頷いた。 「では、今いる候補生達で準備しますから龍さんは時間までスカウトに行ってらっしゃい!」 『……ははっ。解ったよ。後は任せたよ、楓さん。』 そう言い残し、僕は外に出た。
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