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「私は、別に無い、と話していたんだ。」
口を挟んできたのは輝琉だった。
『輝琉は年越しはどうするんだい?』
「至って普通に。年越しそば食べて、元日に初詣かな?」
『紋付き袴で?』
僕は冗談めかして言うと、
「本気にされたことはある。着なかったけどね。」
やれやれと肩を竦める輝琉には悪いが、少し想像してしまった。
『楓には、何か無かったのかい?』
「あ、いえ。私は別に……。」
相変わらず、多人数での会話は苦手な様子の楓。
僕はそんな楓にこう問いかけた。
『年越しは家?それとも神社かな?』
「家ですね。大掃除をして、年越しの番組見て。」
『へぇー。そっか。のんびり年越しだね?』
にっこり笑い楓に賛同すると、微かに笑みを浮かべる楓に僕も嬉しくなる。
『で、彪乃は?』
「私ですか?勉強したり、本を読んだり。年越しも変わらず。」
『どうやって世界征服するか?とか?』
「はい。今年はそれを考えます。」
相変わらず、世界征服の話を振ると真面目に真剣に彪乃は答える。
「で、龍さんは?」
彪乃の切り返しに僕はこう答える。
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