17人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはようございます。って二人だけ?」
満面の笑顔も僕と楓さんだけと解れば、肩の力を抜いて中に入ってくる。
『そうだよ。今、年越しそばを頼んだから。それ食べて、それから準備して行こう。』
「は?いや、皆は?」
どうやら、事務所上げて初詣に行くと思っていたらしい。
『皆、家で年越しがあるからね。彩月も用事とかあったかな?』
「いや、いいけど。」
そこに、出前が届く。
楓さんが着物を別の所に置いて、蕎麦を置く。
僕の隣に彩月、彩月の前に楓さんが座り、オフィスのテレビを付けて、紅白を見る。
『いつか、紅白に出れる歌手やアイドルを輩出したいね。』
しみじみ呟く。
『さあ、食べようか。いただたきます。』
皆で年越しそばを食べる。
「いつか、紅白って素敵ですね。まだまだ、業界に進出して貰わないと。」
「それは、先輩としてはキツいな。仕事は限られてるし。」
『はは。彩月には大変な仕事にばかり行かせてるけど、来年も頼むよ。』
僕は隣の彩月に言えば、当たり前だと強気に言ってくれたが、何だか様子がおかしい。しかし、杞憂かとその時は流していた。
最初のコメントを投稿しよう!