大晦日~年越し

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「おはようございます。って二人だけ?」 満面の笑顔も僕と楓さんだけと解れば、肩の力を抜いて中に入ってくる。 『そうだよ。今、年越しそばを頼んだから。それ食べて、それから準備して行こう。』 「は?いや、皆は?」 どうやら、事務所上げて初詣に行くと思っていたらしい。 『皆、家で年越しがあるからね。彩月も用事とかあったかな?』 「いや、いいけど。」 そこに、出前が届く。 楓さんが着物を別の所に置いて、蕎麦を置く。 僕の隣に彩月、彩月の前に楓さんが座り、オフィスのテレビを付けて、紅白を見る。 『いつか、紅白に出れる歌手やアイドルを輩出したいね。』 しみじみ呟く。 『さあ、食べようか。いただたきます。』 皆で年越しそばを食べる。 「いつか、紅白って素敵ですね。まだまだ、業界に進出して貰わないと。」 「それは、先輩としてはキツいな。仕事は限られてるし。」 『はは。彩月には大変な仕事にばかり行かせてるけど、来年も頼むよ。』 僕は隣の彩月に言えば、当たり前だと強気に言ってくれたが、何だか様子がおかしい。しかし、杞憂かとその時は流していた。
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