17人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふ、二人きりとか聞いてないぞ?」
さっきから彩月は不機嫌だ。
理由は僕と二人きりなどと考えて居なかったのだろう。
『……二人で行ってこいって……。まあ、僕は二人きりで行きたかったからいいけど、ね。』
運転しながら、少しニヤついていたのか彩月が僕を睨む。
「こ、心の準備を考えてくれたって…。」
『したら来てくれたのかい?』
「……馬鹿、勝手にしろ。」
少し悪戯し過ぎたのか、彩月が黙る。
そのまま暫く無言で、車を走らせていると、目的の神社に着いたので、彩月を降ろす。
『ちょっと、歩くけど大丈夫かな?』
「ああ。」
短い変じきり無言になる彩月。
『じゃあ、行こうか。』
それから、暫く沈黙が二人を包む。
最初のコメントを投稿しよう!