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『……渋谷に来たものの、いい子が見つからないままもうすぐ、夜になるじゃないか。』
そんな事をぼやきながら、歩いていると……カップルらしき二人に出くわす。
しかし、よくよく聞いてみると、両方女の子だった。
(あの子……舞台役者に向いてるぞ?よし)
僕が声をかけようとすると、またしても向こうから声がかかる。
「あのさ、盗み聞き?趣味悪いよ?」
今日は自分から声をかけない日なのかなんなのか、少し落ち込みつつも、彼女に僕のオフィスに来るように説得し、更にパーティーにも誘った。
オフィスに戻るとパーティーの用意が出来ていたのか、楓さんが駆け寄る。
「新しい子ですか?やりますね、龍さん!さ、パーティーの準備が終わりましたよ?早速始めましょう!」
楓さんに押されてオフィスの応接間というパーティー会場に通された。
パンパン!
クラッカーの音とクリスマスソング、ワッカの飾りに美味しそうな料理を前に目を丸くして立ち尽くす。
『凄い!ありがとう皆、ご苦労様。』
「さあ、飲み物を持って。龍さん。挨拶を。」
楓さんに背中を押され、真ん中に立てば深呼吸して。
『我がオフィス、初めてのクリスマス。今日は皆楽しい夜にしよう!乾杯!』
楽しい夜が始まった。
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