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「メリークリスマスです。」
そう声をかけてきたのは彪乃だ。
彪乃はジュースを飲みながら僕を見つめて。
「……私は、世界を征服出来ますか?ここに来たものの、全く相手にしてくれませんし……。」
僕はハッとした。
何かと忙しくて彪乃を構ってないなと少し反省して、言葉を探していると……。
「私は大丈夫です。ゆっくり時を待ちますから。」
そう言って、微笑みを浮かべる彼女に僕はゆっくりと言葉を紡ぐ。
『……ごめん、彪乃。僕は君達の魅力を最大限に引き出して、最高の状態にして送り出したいんだ。だから……。』
上手く言葉に出来ずにウジウジしてしまうと、彪乃が息を一つ吸い込み、
「ウジウジしてんじゃないわよ!!」
『……へ??』
僕は気づけば彪乃に一喝されていた。僕はきょとんとして彪乃を見つめる。
「あ、いえ、ふふっ。レッスンを覗いて自分なりに演じてみました。騙してごめんなさい。でも、その言葉だけでこのオフィスに来たかいがあります。ありがとうございます…龍さん。私、もっと勉強して地球を征服します。」
『そ、そっか。その為に僕は全力で君をサポートするよ!メリークリスマス楽しんでね?』
彪乃曰く、レッスンをたまたま覗けば演技の授業だったらしく、彼女なりに演じてみたらしい。
まだ、恥ずかしさが残るが、これからが楽しみになる演技だった。
僕は笑みを浮かべ彪乃から離れ歩いていると……。
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