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息があがる。白く短く吐く
息。寒さで身体が震える。
脈打つ雨。あの日と同じ、
迷い込んだあの日と同じよ
うな冷たい雨だった。
結局もやもやしたまま、チ
ェシャ猫を追った。チェシ
ャ猫は見当たらない。けど
この世界とは違う匂いがす
る。2つの匂い。チェシャ
猫と誰かの匂い。覚えのあ
る匂い。それを必死に辿っ
た。
辿った先には人影。一目見
れば誰だか分かった。
「帽子屋…」
彼はこっちを向いて手を上
げた
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