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――あの連続救急依頼騒ぎから1日が経過した頃、覇瞳AD工場の第二会議室にて、病院送りになった三名と榊の娘である未来。
そして榊の姪である唯無、そして、覇瞳AD工場の数少ない従業員にして開発主任のディーブ梅村の計六名がどんよりとした雰囲気の中、机を挟んで顔を合わせていた。
唯無、未来、ディーブの三名に特に問題はない。
問題があるとすれば残りの彼ら――景、榊、リックスの3名の方だ。
景は青ざめた顔で輸血をしたまま、力無く机でうなだれている。
榊はと言うとパンパンに膨らませた顔を青ざめさせと、そこ座していた。
そして、リックスに於いては未だ虚ろな瞳で明後日の方向を見つめながら何かを呟いている。
(((本当にこの人達、話しを聞ける状態にあるのかな???)))
唯無、未来、ディーブの三名は同調したかのように、そんな不安に駆られた。
もっとも、景と榊に関しては唯無にそれ相応の原因があるのであるが……。
「さて…では、ほろほろ〔それそれ〕話してもらほうか〔貰おうか〕ユイにゃ〔唯無〕?」
榊は青ざめたアンパンみたいに顔のまま唯無に状況説明を求めた。
(しかし…何で俺こんなに顔ボコボコになってるんだっけ?)
榊は自身の喪失した記憶に疑問を感じながらも唯無の返答を待ち続ける。
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