始まり

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―― ガチャ 「お、帰ってきたな!」 『……ただいま』 俺は鞄をベッドに投げた。 そして制服を脱ぎ、楽な部屋着に着替える。 純輝が何故かこちらをニヤニヤしながら見ていた。 俺は横目で純輝を見つめる。何か言いたそうな顔だ。 『……なんだよ』 「いやぁー。そーいえば今日も要さんと飯食いに行くから」 『そーかい、そーかい。いってらあ』 俺は軽くあしらいながら手を振った。 純輝は街で会った男の人、 白樹要(しらき かなめ)という人にぞっこんだ。 今、ピンときた人がいるだろう。 そう白樹要とはあの白樹の兄さんらしい。 要さんは白樹に内緒で純輝と会ったりしている。 正直に言って、純輝は要さんが好きだろう。 まぁ、俺は偏見なんてしない。男子校だ。そんな事日常茶飯事。 純輝は楽しそうに笑っていた。 .
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