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「あ、先生」
「…よォ、田口。嵐」
『……白樹』
偶然たまたま白樹と食堂で会った。それも俺らが座る横のテーブルで食事をしていた。白樹は俺らが食堂に来るときには既に食べ終わっており出るときに擦れ違うぐらいだったから内心少し驚いた。
「おい、嵐。先生と呼べ」
『……っ、はい…』
ふと声を掛けられる。ボーッとしていた俺には突発過ぎてつい敬語になってしまった。そんな俺に白樹は眉間にしわを寄せて睨んできた。
『…なんだよ。睨むな』
「黙れクソガキ。お前熱でもあるんじゃねーのか」
「え!雅、熱あるのか!?」
純輝は白樹が言った言葉に耳を傾けて真に受けていた。
熱なんてあるわけがない。白樹はただ俺が敬語を使ったからあんな事言ったんだ。
熱なんか…ない。
やべ、なんかフラフラする………っ
「おい!嵐」
「雅っ!」
二人の声がする。
俺の意識は遠退いた。
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