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         ------*------ 昔……俺が生まれるほんの少し前、我らが母星、木星は、愚図で蒙昧、何より文化と科学力で遥かに劣る地球人による侵攻を受けていた。 いや、そんな事は本来些末な問題だったのだ。何せ、侵攻によるこちら側の損失は、相手側に比べて極めて少なく、何より、撃退にそう時間が掛からなかったからだ。 我々にとって、重大な問題は、その後に起こった。 我々、木星の民は、その高い科学力を駆使して、自分達の生存に必要なもの以外の、ありあらゆる細菌、ウィルスの類いを撲滅してきた。 我々には、それが出来るだけの力があったし、何よりその事であんな事態が引き起こされるとは、思ってもいなかったのだ。
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