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「梨乃!」
名前を呼ばれて、ハッとする。
コウちゃんの声。
ほら、私を呼んでる。
早く行かなきゃ。
フェンスに手をかけて、のぼる。
「バカ、ちげーよ!」
…え?
そう思った瞬間、体がフワッと浮き
フェンスから降ろされる。
「コ…ウ…ちゃん…?」
あきれた顔のコウちゃんが、
目の前にいる。
え、夢…?
「お前、何俺の後を追いかけて
死のーとしてんだよ、バカ!」
軽く頭をたたかれる。
「ご…ごめんなさい。
てゆーか!コウちゃん生きてたのね!」
私はコウちゃんに抱きつく。
…が、スルリと抜けてしまった。
よく見ると、透けてる気がする。
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