中1 B組

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登校初日… 私は願い願った真新しい 紺色のブレザーを着て 学校外にある長い階段を 息を切らしながら、一緒に 合格した友達と急いで 駆けあがった。 ふと、階段の途中で なにか物足りなさを感じ、 上がるのをやめ 後ろを振り返ると、先日 合格発表を見に来たとき 階段の近くに咲いていた 満開の桜の花は もう散って、わずかに残って いる花びらは茶色く変色して しまっていた。 私は少し寂しい気持ちに なったが、春の日差しは そんな気持ちすら一瞬で 消し飛ばしてくれた。 気をとり直し私は階段を 前よりすたすたと上がり始めた。 ようやく階段を上がりきり 辺りを見渡すと色褪せもない 少し大きめの制服を着て、まだ 中学生とはお世辞でも言えない 新中1生たちが群れをなして クラス割けの表を自分の 名前がどこにあるかと 必死になって探していた。 実は私はセラー服の制服が 嫌だったからこの学校に 受験することにしのだ。 今思えばこんなしょうもない 理由でこの学校に来て、 先生と出会い、先生に恋をする なんてこの時の私は思っても なかったんだ…。 私はその群れをかき分け クラス割けの表の前に行き 他の子たちと同じように 必死で自分の名前を探し始めた。 「えっと… 岡崎 咲はー?」 「あっ!!あったよ咲。」 必死で探してたのに友達の方が 先に私の名前を見つけてくれた。 「えっ??どこっ??」 「ほらっここ。B組のとこ。」 指で示してもらい、表に B組35番 岡崎咲 と書かれてるとこを ようやく見つけることができた。 表によるとどうやら 各ホームの主任は A組 池先生 B組 竹居先生 C組 和田先生 D組 北岡先生 のようだ。 できたら中1の時も先生のホームになりたかったのにな(笑 残念なことに友達とは別々の クラスになり不安だけど、 しかたなく一人で自分の 教室に行くことにした。
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