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「来週、やつらを呼べ」
「ああ、あれね。とうとう今月も地獄の日々がきたのね。」
「わかるように説明してほしいんだけど。」
「利津、よかったな。おまえの望んだ通り、残りの生徒会メンバーにも会えるぞ。」
本当によかったって思ってるのだろうか。狭霧先輩が言うと素直に受け取れないんだよな。
「なんですって!」
今度はなに?
「ダメよ、来ちゃダメ!」
必死の形相で俺に訴えてるけれど、顔がとてつもなく恐い。
「りっちゃんが、りっちゃんが…、あの危険人物共の毒牙にかかっちゃう!」
俺の両肩を掴みガクガクと揺らしてくる。今の俺にとってはおまえが危険人物だよ。と言ってやりたい。
「じゃあ、あれか?おまえが利津の分も仕事を請け負ってくれるのか?」
俺の身体を揺すっていた手が止まった、クラクラする頭を押さえながら見上げると狭霧先輩がやつの肩に手を置きそれはもう、素敵なくらいに笑ってる。
不気味すぎる…。
「いや…俺はただね、りっちゃんに危機迫っているのを守ろうとしただけよ。」
「利津の危機と、仕事の締切、俺がどっちを優先したいか、わかるよな?」
黒々とした笑みを相変わらず続けている狭霧先輩を俺は茫然と見ていることしかできなかった。
少しだけ、
ほんの少しだけ考える時間がほしいところなんだけど…。
俺の危機は否定してはくれないってことなのか!
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