そしてプロローグへ

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    地獄の日々がやってくる。 ……らしい。       この学校は各委員会、または各部活動で毎月かかった経費をまとめて生徒会役員に提出しなければならない。 数多にある部活や、委員会にはそれぞれに後ろ盾がいたりするから毎月、毎月、それなりに経費が発生するんだと。 それを長が適当(と、いうか雑)にまとめて生徒会に提出してくれる。 そして、適当にまとめられた毎月の各委員、部活の経費をきちんとした形(つまり月次決算書)にしてこの学校の会計責任者に提出するのが俺たち、生徒会の役目。 いわば、こんなとこまで手の回らない学校側の大本の会計のお手伝いみたいなもんかな。 普通は顧問の先生がするもんなんじゃないの?と言いたくなるけど、こういうめんどくさい事するわけないしな。 まあ、忙しいってのもあるんだろうけどさ。   さすがに、とても優秀な狭霧先輩でもあの仕事を1人でこなすのは到底無理だから、いつもは全くもって役に立たないこの馬鹿会長と、まだ見ぬ残りの生徒会メンバーも駆り出されることになる(当然のことなんだけど)早朝から初めて、下校時刻まで残って仕事をしても間に合わないから、持ち帰りで仕事をするんだと。俺の知らない生徒会メンバーも引きつれて(その人たちは近いから自宅通いらしいけど) で、この時ばかりはその人たちも寮に泊まり込みでしてもらうんだって。       と、いうわけであの馬鹿が何を異常なほど慌てているのか俺にはわからないけど、何やらとんでもない事が起きそうな予感?       「りっちゃんは俺が守ってあげるからね!」       なんて、叫んでいるのを軽く無視して始業ベルが鳴るギリギリまで残りの仕事を片付けることに専念した。  
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