とりとめ

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      「疲れた!」       ここのところ、寮に戻ってすぐ食事も摂らないで寝てしまうことが多い。 あのA4用紙に記載されていた名前はおよそ40弱。 この前、狭霧先輩から渡されてすぐにその人物たちに頼みに回ってるけど、これがなかなか捕まらない。 逃げてるのか、ただ単にいないのかはわからないけど。 捕まえても物凄く嫌そうな顔はされるし、迷惑してるのは俺の方だと言ってやりたい。 でも、『役職雑用』のやつに言われても不快に思って当然なんだとは思っているけど、毎回毎回そんな顔されるこっちの身にもなってほしい。                   「りっちゃんおかえりなさい。」       幻聴が聞こえてくるのはきっと疲れているんだと思う。       「はい、りっちゃんの大好きな温かいココアを用意したのよ。」   「なんでいるんだよ。しかも、この暑い時期に何が『りっちゃんの大好きな温かいココアを用意した』だよ。馬鹿にしてんの?それとも新手の嫌がらせ?」   「優しい気遣いと言って頂戴。」     部屋の鍵を俺の目の前に振ってみせているけれど、 …もしかして… いや、もしかしなくても…       「それ、俺の部屋の鍵!」   「大正解!よくわかったわね。」   「なんでおまえが?」   「疲れたりっちゃんを癒してあげようと思って、狭霧から合鍵借りたのよ。」       この馬鹿は一度、死んだほうがいいと思う。       「役員の合鍵は狭霧が持ってるのよ。ほら、俺たちってこの通り美形でしょ?警備員さんに預けたりしたら合鍵使って夜這いに来られるかもしれないじゃない?自分の身は自分で守らないとね。」             楽しそうに話してくれるのは構わないけど、俺にはプライバシーが一切ないということか?
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