『一緒にいてくれるから』

はじまり

どこの学校でもかわらないことはわかってはいた。
わかってはいたけど…
やっぱり教師の話は長い。
ダラダラと意味のない言葉を連ねて、同じことを繰り返し言っているようにしか聞こえない。

この閉鎖された空間を抜け出して、俺は今すぐにでも会いに行きたいのに。

ようやく長かった式も終わり、教室へと戻っていく。
俺たちは合格発表の時にクラス表をもらっていたため、各々会場を後にするも、難なく自分のクラスに向かうことができた。
教室に入ると座席表が黒板に張り出されている。
俺の名前は窓側の列の中に書かれてあり、書かれてあった場所へと腰をおろした。
これで愁兄が外で行われる授業があったら、授業中だろうがなんの遠慮もなく見られることが出来る。
これからの生活が更に楽しくなるであろうと期待に胸が膨らんだ。

頭の中で思い描くのはいい出来事が待ち構えているであろう学校生活。
けれど、そんな気持ちもどこかへ持っていかれてしまうほどに隣の席から感じる視線。
居心地は悪いし、気分は最悪。