光の先へ

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     「初めまして  私(ワタクシ)、帽子屋で御座います  御老体向けは扱っておりませんが、御用向きなどありましたらなんなりと」    腰まで折って、丁寧に頭は下げてくるものの、悪意の塊みたいな物言いだ。    「ご丁寧にどうも  俺は森の音楽家だ」    持っていたギターを掻き鳴らす。    「ほう……音楽家」    帽子屋の目が丸くなる。    
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