Promised Ring

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約束の日、ボクは、遊園地に来ていく服を鼻唄混じりに選んでいた。 今日は彼のコルトに一緒に乗っていくから、ボクのグラ子こと、トヨタスターレットグランツァVは家でお留守番だ。 ふと振り返ると、おねぇが部屋のドアからなにやらニコニコしながら覗いていた。 「…なに?どうしたの?」 訝しげにボクが聞くと、おねぇはニコニコしながら、こう言ってきた。 「うん、どうしたのかなと思ってね。 なんか、楽しそうに服を選んでるから。 あっ、もしかして…」 そこで一旦言葉を区切ると、お姉はこう言った。 「デートかなー?」 一気に身体中の血が頭に駆け上り、顔から火が出そうな感覚に襲われる。 おねぇはそんなボクを見て、『あたり』を確信したような顔でニコニコ笑いながら頷いた。 「えっ、あっ、どうかなー?ハハハ…」 笑ってごまかそうとするけど、うまく笑えない。 おねぇは、既にボクと彼が付き合っている事を知ってるけど、ナゼかまだ照れがある。 「あっ、そうだ。もう着替えなきゃいけないから、ちょっと外に出ていってくれるかな~?」 そう言いながら、未だにニコニコしているおねぇを部屋から追い出した。 結局、着ていく服は赤いチェック柄のロングワンピとピンクのファー付きコートに決めた。 着替えを終えてベットに座っていたら、クルマが家の前に止まる音がした。窓から覗いてみると、彼のコルトのルーフが見えた。 「コマちゃんに『星佳をヨロシク』と言いたい。」と言いながら出てこようとしているおねぇを振り切るようにしながら、ボクはベージュのファー付きブーツを履いて玄関に横付けされたコルトの助手席に滑り込んだ。
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