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「お待たせ~。」
そう言いながらコルトの助手席に滑り込むと、彼がクルマをスタートさせた。
実は、彼とボクがクルマを買ったのはほぼ同時期だ。
その為、最初は二台で出掛ける事も多かったが、徐々にどちらか一台で出掛ける事も多くなってきて、ようやくボクもコルトのレカロシートに体が馴染んできた。
「一応、適当にCD持ってきたよ。かけるね。」
昨日の夜から念入りにセレクトしたCDを紙袋から取り出し、その内の一枚をコルトのオーディオに入れる。
CDを読み取ったオーディオが車内に音楽が流す。
テレビ等で最近よく見かけるアーティストのCDで、ボクのイチオシだ。
しばらく二人で音楽に耳を傾ける。
「そういえば。
今日、そっちはどうだったの?」
「…散々ぱら、からかわれてきた…。」
ボクの問い掛けに、『そっち』の意味を即理解してくれた彼がすぐに返してくれる。
その瞬間が彼女としては、たまらなく嬉しい。
「…こっちもだよ…。」
ため息混じりにボクも返す。
「姉貴達も他にやることないのかって思うよ。」
「ホントだよ。」
「「…ハァ~…」」
二人揃ってため息を吐いてしまう。
コルトはそんなボクらを乗せて遊園地に向かってひた走る。
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