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夜更けにうっかり巨大蠍の巣に足を踏み入れてしまった…
…力が出ない。
この様だ…
蠍の尾が男の腹を貫いている。
突然どんな始まり方だよと文句を言いたくなるが、そんな暇もないほど男の腹部を貫通する太い尾は捕らえたまま揺らぐ。
まるで、餌を採ったと悦ぶように。
吁、蠍と言ってもそんじょそこらのでかさではない…
先ず顎の時点で人間の上半身と下半身を真っ二つに切断できる。
尻尾は前文通り大男の腹を貫く程鋭い。
しかし、昼間は熱さのために砂の中にその巨体を潜ませている。
そして…神の咎人を恐れて…。
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