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どれくらいの時間こうしていたのかは分からない。
だが、漸く転機が訪れたみたいだ。
『蠍、さんよぉ…この、借りは…反してもらうぜ…?』
ニヤリと血塗れの口で不敵に笑うと再び力強く尾に手をかける。
そして、力を込めると鎧に包まれたその尻尾に皹が入り始める。
一体どういうことだ。
この死に損ないに一体何が…?
表情は全く分からないものの焦りの色が見えているのは確か。
はっと後ろを振り向くと。
日が出始めている…
まさか、咎人だったとは…
遊んでいないでさっさと食事を採るべきだったと後悔してももう遅い。
腕力だけで尻尾が折れると同時に男は軽い身のこなしで上手く地面に着地をした。
そして…
巨大蠍に向かい、自らの武器である大刀を振り降ろした。
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