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「テメェ、今更そんな事叫んでも…」
オッサンの一人がすごむが、俺は構わず早口でまくし立てた
「ボロカスにされてる俺を見て、警察としてはオッサン達を放っておくわけにはいかない、通行人も通報くらいはするだろうし、もうしてるかも、いずれにせよ、逃げるかどうするかは、時間との勝負だと思うよ?」
俺の言葉を最後まで聞かずに、オッサン達は脱兎の如く去って行ってくれた
(まあ、時間帯的に、圧倒的に不利だと分からなかったんだろうかな~?)
「・・・」
「んっ!?大丈夫?」
「っっ!?は、はい…」
俺が声を掛けると、女の子はビクッと体を震わせ返事をした
「怪我ない?」
「はい…でも、その…あなたが…」
女の子が俺を気まずそうに見上げて言う
「大丈夫、大丈夫。
ある程度鍛えてますから」
俺が笑いながら言っても、女の子は申し訳なさそうに俯いたままでいる
そこで俺は神妙な顔で言った
「…ただ一つ、非常に困ったことがあるんだ…」
「えっ!?何…ですか?」
女の子はオロオロとした表情で聞き返してきた
そう返してくると予想していた俺は、コロっと顔笑顔に変えて言った
「もんのすごい、腹が減った…」
「ふっ…ふふふふふっ」
必死に笑いをこらえてはいるが、女の子はようやく初めて笑ってくれた
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