代言

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翌年、夏の終わり。 母親の胎内で魔法の影響を受けていたらしい。対象を変更する。 秋のまんなか。 素晴らしい。純血とはこういうことだったのだ。これでやっと見返せる。 「この施設の奴か」 バケモノが呟くと、子どもは頷いた。実験も順調のようだ。動物実験など、よくあることである。 春の終わり。 母親、発狂。子の呪いか そこで、違和感を覚える。発狂するのは、なんだ。 春の始まり 二人自殺。どうやら呪いらしい。皆、疑心暗鬼となっている。 一年も経っているが、間のページはちぎられたような跡がある。 足元を見ると、どうやらちぎられたページが落ちていた。 夏 研究者の一人が、ビーカーが頭に当たり死亡。どうしてあれが落ちるのだろう。燃やして土葬した。 秋 母親の幻覚が見えた研究者が消えた。子と仲が良かったのに。 「……なあ、これ」 子どもを見た。子どもは何も言わない。それでも、バケモノの勘が告げている。
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