1人が本棚に入れています
本棚に追加
翌年、夏の終わり。
母親の胎内で魔法の影響を受けていたらしい。対象を変更する。
秋のまんなか。
素晴らしい。純血とはこういうことだったのだ。これでやっと見返せる。
「この施設の奴か」
バケモノが呟くと、子どもは頷いた。実験も順調のようだ。動物実験など、よくあることである。
春の終わり。
母親、発狂。子の呪いか
そこで、違和感を覚える。発狂するのは、なんだ。
春の始まり
二人自殺。どうやら呪いらしい。皆、疑心暗鬼となっている。
一年も経っているが、間のページはちぎられたような跡がある。
足元を見ると、どうやらちぎられたページが落ちていた。
夏
研究者の一人が、ビーカーが頭に当たり死亡。どうしてあれが落ちるのだろう。燃やして土葬した。
秋
母親の幻覚が見えた研究者が消えた。子と仲が良かったのに。
「……なあ、これ」
子どもを見た。子どもは何も言わない。それでも、バケモノの勘が告げている。
最初のコメントを投稿しよう!