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生まれてすぐ、呪いを施され、産みの親を殺した害悪。言葉はなくしたのだろう。
「……くっそ、ひでえな」
バケモノの悪態も無視して、子どもは今度は違う本を差し出した。
バケモノは震える手で受け取り、パラパラと開く。それは、専門書のようだ。
「これの……」
魔術について並ぶ文字を見ると、子どもが端の折れたページを開いた。
『禁言霊呪』
言葉に呪詛を宿らせ、すべての言葉を呪いに変える。
言葉は触れた全てを呪い、無に返す。
「……まさか、これ」
子どもは、頷いた。その瞳に大空を従え、そして言葉を失いながら。
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