歪曲~帝と義春~

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 俺は攻め始めた。 「うおっ!?」  急に攻めたことによって、義春が戸惑っている。  押し切れるか?  いや、無理だな。 「しゃらくせぇ!」  義春も負けじと攻めてくる。  攻防はまだ続く。  今は俺が押している。 「ハァ…ハァ……ほ、んと…つぇなぁ」 「県内…最強……は…だて…じゃ……ねぇ、つって、んだろ」  お互い声が途切れ途切れになっていた。  これだけ激しい攻防を繰り返していれば当たり前だろう。  辛いなんて感じない。  俺よりも、人質に捕られている仲間のほうが、何倍も、何倍も辛い思いをしているんだ!  だから戦えるもんよ!
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