歪曲~帝と義春~

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 極限まで集中する。  義春の強さは認める。  こいつ程強い奴はいなかった。  がむしゃらに強さを求めるのも認める。  強い。本当に強い。  だけど、相手が悪かったな。  義春が腕を引いた。 「ッラァッ!」  掛け声と共に腕を大きく振り上げる。  全てがスローモーションで見える。  義春の目はここぞとばかりに見開かれた。 「俺が頂点だ!」  残念だったな。 「義春、お前の負けだ!」  義春の拳が迫ってきた。  すぐに体を逸らし、体を低くする。  脚のバネを極限までに活かし、拳に威力を乗せる。 「終わりだァ!」  顎目掛けて振り上げた。
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