歪曲~帝と義春~

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「……ッ!」  いってぇ。  思い切り良くやりすぎた。  右拳の骨逝ったな。  まぁ、それよりも義春のが辛いだろうけど。  下手したら死んだ。  一瞬、そのことが頭をよぎり、不安になった。  が、その不安もすぐに消えた。 「へ、へへ。さ…すが、県内…さ……いきょう。やるな。こりゃぁ、か、勝てないわ」  産まれたばかりの馬のように、足を震わせながら立ち上がってきた。  人間の急所、しかもかなり思い切り、上手く入ったのに立つのか!?  俺でも立てるか解らねぇぞ。  !?  しかも、ふらふらしているが、俺に背を向けて歩き出した。
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