歪曲~帝と義春~

52/70
前へ
/304ページ
次へ
 仲間を大切にしてきた。  平等に大切にしてきた。  自分を慕ってくれる仲間が大好きだった。  喧嘩をしても最後には笑いあっていた。  誰も欠けることなくここまできた。  なのに……。  なのに……。  それを奪いやがった。  急に現れて、急に名を上げて、急に喧嘩して、急に……急に仲間を奪われた。  許せるか?  俺はこいつを許せるか?  否、許せない。  でも、ここは耐えなきゃいけない。  まだ、まだ、二人人質なんだ。  その二人はなんとしてでも守らなきゃいけない。  俺は最低だ。  仲間を守る為に名を上げて、仲間を守る為に生きてきたのに。  たった一人も守れないなんて、頭として、慕われてた者として、どうなんだよ。  最低すぎる。  悔しい。  涙が溢れる。  マジ……申し訳ねぇ。
/304ページ

最初のコメントを投稿しよう!

344人が本棚に入れています
本棚に追加