344人が本棚に入れています
本棚に追加
ゆっくりと、両手を地面に付け、頭を下げる。
そして、言葉を紡ぐ。
「義春様、逆らって申し訳ありませんでした。あなたが一番強いです」
くっ!
いざ言うとやるせない気持ちになる。
「いいねぇ! いいねぇ! 県内最強とまで呼ばれた男が俺に屈服するなんて、すげぇいい気分だ!」
黙れ。
誰が好んでこんなことするかよ。
俺はお前の為にやってるんじゃない。
仲間の為にやってるんだよ!
死ぬ前に、こいつは殺しておかなきゃ。
決意した。
今だけだ。
今だけこいつの言いなりになって、仮面を被って、媚びを売ってやるよ。
今に見とけ。
すぐに地獄に連れて行ってやるからよ。
精々、楽しんどけよ。
ゆっくりと訪れる死まで……。
最初のコメントを投稿しよう!