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「ふっ!」
上履きの手すりへの角度を調整し「ギュギュギュゥゥウウ!」とブレーキをかける。減速しすぎればそれはタイムロスへつながり、かと言ってブレーキングが甘ければ大事故になりかねない。
まだだ。まだ落とす、落とす。極度の緊張が額に汗を浮かべた。
「ここだ!!」
手すりの端まで来た瞬間に軽く跳躍。抱きかかえるように手すりの上の壁に掴まりながら、遠心力を利用し、グルっとターンして新たな手すりへと着地する。
「完・・・璧・・・!」
今ので感覚は掴んだ。あとはそれを一階まで繰り返せばいいだけだ。
なんだ、余裕じゃないか。ここまで本気を出すまでもなかったようだな。
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