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「何でこの頃僕を避けているんですか」
唐突な質問に意表を突かれ、答えに詰まる。
「休み時間は会いに来てくれませんし、部活でも全然話をしてくれませんし」
気にしてくれていたのか、と思う前に、ひどい罪悪感にさいなまれ、俺は視線を泳がせ、両手をきつく握りしめた。
「そ、れは」
「今日の嘘もそうです」
こんな真夜中に宿題をするほど、あなたは勉強家ではないでしょう。
少し冷めてしまった紅茶をすすると、古泉はさっきと同じスピードとトーンのまま、
「僕が嫌いになったんですか?」
その台詞に俺はがばっと顔を上げ、
「そんなことは絶対ない!!」
全力で否定した。
俺が古泉を嫌う?
そんなことは、天地がひっくり返ったとしても、あり得ないことだろう。
…いや、自分で思っておいて何だが、今のはちょっと恥ずかしかった…かも。
「それなら何故」
「え…それは…それは…」
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