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あんな綺麗な微笑を浮かべるこいつが、俺と同じことをやっていたなんて。
「あなたの存在は、機関で手に入れたあなたの携帯情報と、あなたの登録票を見比べて知りました。名前はあだ名そのままですし、僕はあなたが入る前からあのサイトにいましたから」
俺は急に古泉が怖くなった。
掴まれている左腕が反射的に震えてしまう。
それに気づいたのか、古泉はふっと微笑を浮かべ、俺の頬を撫でた。
「これを口外されたくないなら、言って下さい」
「な、なにを…」
「僕を避ける理由です」
ここまでして知りたいのか。
こいつは、何故そんなことにこだわるんだ。
「何でそんなことを聞くためだけに、こんな事…っ…?」
その質問を聞き終わる前に、古泉は俺の耳に顔を近づけると、
「貴方の事が好きだからですよ」
そう言って、いきなり俺を押し倒した。
「えっ…?…」
「初めて見た時から、貴方が好きでした」
頭が追いつかない。なんだって…?
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