訪問

5/23
前へ
/39ページ
次へ
あんな綺麗な微笑を浮かべるこいつが、俺と同じことをやっていたなんて。 「あなたの存在は、機関で手に入れたあなたの携帯情報と、あなたの登録票を見比べて知りました。名前はあだ名そのままですし、僕はあなたが入る前からあのサイトにいましたから」 俺は急に古泉が怖くなった。 掴まれている左腕が反射的に震えてしまう。 それに気づいたのか、古泉はふっと微笑を浮かべ、俺の頬を撫でた。 「これを口外されたくないなら、言って下さい」 「な、なにを…」 「僕を避ける理由です」 ここまでして知りたいのか。 こいつは、何故そんなことにこだわるんだ。 「何でそんなことを聞くためだけに、こんな事…っ…?」 その質問を聞き終わる前に、古泉は俺の耳に顔を近づけると、 「貴方の事が好きだからですよ」 そう言って、いきなり俺を押し倒した。 「えっ…?…」 「初めて見た時から、貴方が好きでした」 頭が追いつかない。なんだって…?
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加