アブノーマルな日常

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古泉を好きになったのは、本当に単純な理由だった。 それは、入学式の日に遡る。 『え、と…』 『いいじゃん、君可愛いしさー、一緒に合コン行こうよ?』 俺は、歩いている途中でぶつかった先輩方に、そんなことを誘われて困り果てていた。 いきなりなんだと思ったのもある… けれどそれ以前に、女はあまり好きじゃないし、…いや、かといって男が好きなわけでもないが… 『いや、俺そういうの苦手で』 『じゃあ俺たちだけで遊ぼうよ?』 そう言って、いきなり俺の手首をつかみ、そのまま引きずるように俺を連れていこうとする。 『やだって、ちょっ…』 ぎょっとして腕をふりほどこうとしたが、どんなに頑張っても先輩は離してくれず、どんどん校門が近づいてきた。 このまま、どこに連れて行かれてしまうんだろう。 そう考えると背筋がぞっとし、俺は震える声で小さく叫んだ。 誰かっ…! その時だった。
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