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家族と別々に暮らすのは、ちょっと寂しいけどこういう時便利なんだよな。
家族がいると、部屋でヤることもできないし。
…いや、なんでもない。
ちなみに、俺が住んでいるのは14階建てマンションの9階の901号室だ。
なぜこんなところにすんでいるのかと言えば、たまりに貯まってしまったお金があったからなのだが。
「一階…と」
鍵を閉めて、エレベーターに乗り、一階のボタンを押す。
ふと、ポケットに入れた携帯が振動する感覚がする。
「返事か?」
少し申し訳なく思いながら携帯を開くと、メールではなく電話だった。
「あ」
間違えてボタンを押してしまい、通話状態になってしまう。
…仕方ない。
「…もしもし?」
ちょうど一階につき、エレベーターから降りると、
「…宿題が終わらないんじゃなかったんですか?」
すぐ近くと、携帯から、同じ声と台詞が聞こえた。
「…なんで…」
目の前には、ネクタイありの白いカッターシャツの上に薄茶の上着を羽織り、黒いズボンをはいたラフな格好の古泉が立っていた。
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