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朝起きると、プレゼントが置いてあった。
早速、中を開けてみる。
しかし、欲しかったものではなかった。
今までは欲しいものはなんでもくれたのに、どうして今回は違ったんだろう。何故か無性に裏切られた気分だった。
その旨を、父に報告すると、「確かおまえは大きな電車が欲しかったんだよな、それじゃないのか?」
違う、その時オレが欲しかったものは本物の電車だった。
「そんなに大きいものは無理だよ。だいたいどこに置くんだよ」
それはわかっていた。それでも嫌だったから、叫びに叫んだ。泣きながら叫んだ。サンタさんが間違えたと、裏切ったと。
そのショックのあまり、プレゼントを投げて壊してしまった。
すると父は血相を変え、「何するんだ! せっかく買ってやったのに。だいたい、サンタなんているわけないだろうが。現実を見ろ! もう二度とプレゼントはやらん!」
それからショックのあまり、ずっと泣いていた。
サンタさんがいない、じゃあクリスマスってなんなんだろう。一番の楽しみ、というより、クリスマスはそれしか楽しみがなかった。飾り付けやケーキなんてそれをたたせるだけの道具に過ぎなかった。
それ以来、いじけつづけ、クリスマスが大嫌いになり今に至った、というわけだ。
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