🏫教師失格🏫

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🏫教師失格🏫

「次地理じゃん。 …ダルいわ~💧」 ある女子グループの1人が 面倒臭そうに言った。 ここは光橋高校1年3組の教室。 今は休み時間であるため 皆それぞれ行動している。 「別に良くね? 唯ちゃんの授業って 何やってても注意されないし。」 同じグループの女子が 携帯をいじりながら言った。 この生徒の言う¨唯ちゃん¨とは 地理の授業を担当している教師であり1年3組の副担任でもある。 本名は吉岡 唯。 物事をはっきりと言えないため 多くの生徒にナメられている。 キーンコーンカーンコーン… 授業開始のチャイムが鳴った。 ガラガラ。 吉岡が教室に入ってきた。 しかし、教室内は騒がしいままだ。 「気をつけ~…礼。」 号令係でさえやる気が無さそうだ。 「ハァ…。んじゃ、今日は~…」 吉岡は溜息を吐くと 騒いでいる生徒 携帯をいじっている生徒 お菓子を食べている生徒を 無視して授業を始めた。 ほとんどの生徒が授業など そっちのけで遊んでいる。 そのまま授業は進められ 授業終了のチャイムが鳴り 吉岡は教室を出ていった。 新入生を担当すると決まった時は 張り切っていた吉岡だったが 物事をはっきりと言えない 性格のせいで生徒を注意する事が出来ず、いつしか注意しよう という意識すら無くなってしまっていた。 吉岡自身はなんとかしなくては! と思っていたのだが 自分1人では何も出来ない と決めつけてしまい何もしていない。 そんな吉岡だが 全員にナメられている訳でもなく ある6人の生徒には慕われていた。
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