第1記「隠ぺいの真実」

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とりあえず、町へ出てみる事にした寿繁、「そういえば叔父上はなぜ、あんなに市民に人気だったのだろうか……。」叔父、寿嵩はいつもこんなことを言っていた、「市民の貧困は、我々が貧困になってよく解るのだ。」きっと叔父の事だから、農民にでもなって苦労を味わっているのではと、寿繁は思った、きっと見つかる、いや、絶対に、「叔父上め……どれだけ人に迷惑かけているか解ってやっているのか?……まったく…。」気付けば辺りはいい匂いが漂っていた、「もう昼か……。」腹の虫が鳴っている、「そろそろ戻るか……。」と、そこへ「若ーーー!」誰かが寿繁を呼んだ、偵察から戻ってきた池藤だ、傍へかけ寄ってくる、「なかなか帰ってこないので心配しましたが……。」「おぉ、すまんかったな、時間を忘れてしまっていた様だ。」「左様ですか、殿も同じ事を言います。」「叔父上が?」それが叔父の魅力か…、寿繁は密かにそう思ったのであった。
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