Battle 2

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私の言葉にクリスが顔を上げた。 凄く苦しそうな顔で私を見つめる。 「そんな事言ったって、仕方ないだろ!! 兄様にも、母様にも、父様にも、誰にも盾突いちゃいけない!!三人が決めた事は絶対なんだ!! 俺一人頑張っても、処分されて終わる!!婚約者候補には手を出しちゃいけない!!これは絶対的な鉄の掟なんだ!!」 クリスの言葉を聞いて、やっぱり普通と違うんだって理解した。 お金持ちはどうしてこんなにもバカなんだろう。 私は睨みつけるようにクリスを見た。 「普通のやり方が通らないのはわかった。だからって私は諦めないよ」 「お前な……!!」 「あんたがそんなくだらないしがらみに捉われてるなら、私がなんとかしてあげる!!私があんたを助けてあげる!!」 「桜……」 「私がこんなくだらない勝負に勝ってあげる!!要は、リズとロイ王子が一緒に居る時間を作らなければいいんだ!! 私や他のお嬢様達がロイ王子の婚約者になれば、もうあんたは自由に動けるんだよね!?」 「そりゃそうだけど……」 「だったら私、頑張るよ!!あんたの気持ち、無駄になんかしないんだから!!」 そう言うとクリスの頬に涙が伝った。 真っ直ぐ私を見るその目。 私はクリスに笑いかけた。 .
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